シマノM8200系DEORE XT 機械式変速機をレビューします。
スタッフバイクに今年シマノ様より発売されました、M8200系DEORE XT 12sの機械式変速機を導入しました。今回はそのご紹介となります。使用したのはM8200 GS(ミディアムケージ)のリアディレイラーと9-45Tスプロケットの組み合わせです。M8200系の機械式変速機には3系統の変速機が設定されており、それぞれ使用用途が異なります。今回は選択した理由も含めて解説したいと思います。
ことの始まりはスタッフ小野の使用していたCOMMENCAL CLASH V2のSRAM NX EAGLE リアディレイラーが酷使に耐えかねてパンタグラフ部のプレートがパッキリ割れたことでした。冬のトレイルシーズンの時点で既にロー側がうまく決まらない、ロー側にチェーンが外れる、そもそもリアディレイラーがグラグラと「もう無理!」という状態なのは認識していましたが、実はこのNXのリアディレイラーは既に3個目。パノラマでワンシーズン使用するとトレイルシーズンには既に虫の息という状態で、もう少し頑丈な変速機に載せ替えたいと思っていたところでした。
使用していたSRAM NX EAGLE(画像はイメージです)は現在のMTBのスタンダードとなっているフロントシングルのリア12速、スプロケットは11-50T。ちなみにフロントギアは32Tですので、最大変速比は1:0.64。パノラマでは当然使いません。冬のトレイルシーズンでもローギアより2段目の42Tを多用していたため、50Tに入れることは稀でした。しかし50T対応にするためリアディレイラーのプーリーケージは長く、ダウンヒル走行時はその分チェーンは暴れますし、その振動はリアディレイラーを痛めつけます。結果として安いわけでもないNX EAGLEのリアディレイラーを一年で使い捨てる結果になっていたわけです。
いい加減リアディレイラーを使い捨てるのもコストに見合わないし、正直50Tいらないけれどもトレイルシーズンを考えればDH専用7速に換えるわけにも行かない・・・と考えていた時に、シマノ様よりそこを埋めてくれる良い商品が出ていることに気がついたわけです。

M8200-GS 9-45T専用リアディレイラーとスプロケット
昨年無線式Di2にモデルチェンジし今年機械式が加わったDEORE XTグレードには3系統のリアディレイラーが設定されており、E-BIKE向けの11-50Tスプロケット用「11速」系(E-BIKEのパワーならそもそも12s必要ありません)、通常のトレイルバイク、エンデューロバイク向け10-51T対応「12 速」のロングケージ(型番ではSGSと表記)、そして9-45T対応のシマノ様公式で「パークバイク向け」とされている9-45T対応の「12速」のミディアムケージ(型番ではGSと表記)の3種類となります。
ミディアムケージはロングケージに比べ公式発表で28mm最低地上高が増加します。DH専用の10-25T専用のショートケージほどではないですが、画像左のM6250 DEORE Di2のロングケージに比べ短くなっているのがお分かりいただけると思います。ケージが短くなればスタビライザーの効果も上がりますし、ケージがブレにくくなるのでリアディレイラーへのダメージも少なくなる上、変速性能も上昇します。懸念点は最大ギアが45Tになるため登坂能力が減少するという点ですが、フロントチェーンリング32T、リアスプロケット45Tの変速比は1:0.71。昔は1:0.74でトレイルを走っていましたので実用上は問題ないという結論としました。
結果だけ先にお伝えしますと、一昔前のSAINTやZEEなどのDH用ショートケージリアディレイラーよりチェーンが暴れなくなりましたので、パークライドメインでたまにトレイルに行くという方には非常によくマッチする仕様と思います。最低限の登坂能力はありますし、50Tがないと登れないと考える場合はフロントチェーンリングを30Tに落としても、トップギアが9Tのためトップスピードはほとんど減少しませんのでカバーすることは可能と思われます。またパノラマで走行している際にはトップの9Tに入れることはほとんどありませんでした。
各部のデティールですが、新型Di2の流れを汲むデザインで非常に厚みがあります。ぶつけても衝撃を受け流しやすいデザインです。変速性能についても文句なしです。
シフターはロー側の変速レバーにはスリップどめのラバーが配され、操作感も非常に良好です。なおXTとXTRグレードはトップ側の変速も2段まで一気にリリースできる「マルチリリース」が搭載されています。地味に便利です。
また今作よりシフターは交換可能な部位が増えました。レバーのスリップ防止ラバーや、バンド部などもスペアパーツが出ます。以前はバンドが折れるとシフター買い替えでしたが、高価格化した反面破損時に復旧できるケースも増えました。
また9-45Tスプロケットの取り付けには今までのロックリング工具は使用できません。TL-LR021という専用工具が必要になります。なお10-51Tには既存のロックリング工具で対応できます。
エンデューロバイクをパノラマメインで乗られる方にはうってつけの変速機となったM8200系DEORE XT。機械式リアディレイラーの登場で価格面でもインストールしやすくなりました。当店ではお客様の使用環境に合わせた機材選択のお手伝いもさせていただいています。パノラマにお越しの際はぜひ一度ご相談いただけましたら幸いです。

