SRAM GUIDE R マスターシリンダー オーバーホール について

お客様からダウンヒル中にブレーキレバーが硬くなってレバーが引けなくなるとご相談を受けたSRAM GUIDE R、症状を聞いた段階でイヤな予感はしていたのですがとりあえずブリーディングをしてみることに。キャリパーからレバーへオイルを圧送するとすぐにガッチリと固まり全くオイルが送り込めない状態に。この時点でリザーバータンクかマスターシリンダーに異常があるのは明らかです。最近のSRAMブレーキ、特にS4キャリパーになる前のGUIDE R系にはよくある症状なのでリザーバータンクを開いてみました。
中はスラッジまみれで真っ黒け。古くなったブレーキフルードで使い続けているとよく発生する症状です。スラッジがマスターシリンダーからリザーバータンクにつながる経路に詰まっていて、オイルが正常にシリンダーに供給されていません。マスターシリンダーも同じ状況と思われますのでお客様と相談の上分解して修理を決定しました。
レバーを分解しシリンダーにアクセス。
取り外したピストン(写真下の白い部品です)は端部にガッツリ傷が入り、シリンダー内には真っ黒なスラッジがガッツリこびり付いており動きも悪くなっていました。ピストン交換も検討しましたがピストンシールはそこまで傷んでいなかったこと、近日中に走行の予定があること、富士見メインの方なので調子悪くなればすぐ持ち込まれるとのことでしたので今回は交換は見送り、清掃と擦り合わせを行った上で再利用することに。ちなみに交換の場合、メーカー取り寄せで部品代は税込3630円となります(SRAM GUIDE Rの場合です)。
色々と小技を駆使してリザーバータンク、シリンダー内を徹底的に清掃。
ピストンの傷は如何ともし難いですが店に転がっていた別のジャンクのGUIDE Rのピストンシールがまだマシな状態だったのでそこからシールを移植して擦り合わせ。油圧漏れは大丈夫でしょう。ピストン本体の傷のせいでレバーのフィーリングにはノイズが混じりますが・・・
メーカー指定のDOTフルード用のグリスを塗布してシリンダーを再組み立て。
シリンダーを組み直したらダイアフラムを組み付けてレバーを組み込みブリーディングします。
オイルはDOT4で良いとのことでしたのでDOT4でブリーディング。BGHではご希望によりDOT5.1とDOT4どちらもご用意しております。レバーのタッチやレスポンスはDOT5.1が勝りますが持ちはDOT4の方が良くなります。今回のレバーオーバーホールはレバー単体お持ち込みの場合で工賃は税込4000円、車両お持ち込みでブリーディングも込みの場合はパーツ取り外し、組み付け、ブリーディング、オイル代込みで税込8600円で作業しております。ピストン交換等部品代が別途発生する場合もございますのでその際はご案内いたします。所要時間は混雑状況や出勤スタッフ数にもよりますが2時間ほど。SRAM系のブレーキでお悩みの方は一度お試しいただければと思います。