KONA、ROCKY MOUNTAINの最新モデル情報をお伝えします!
2024年6月19日にふじてんリゾートで開催されたKONA、ROCKY MOUNTAIN代理店のA&F様の業者向け試乗会に店舗スタッフの小野と喜多が参加してまいりました。今年度モデルチェンジが行われた車種も多く、注目の車種もありますのでレポートさせていただきます!
まず最も注目を浴びていたのは今年度フルモデルチェンジされたRocky Mountain ALTITUDE。リンク構造が一新され、サスペンションリンクやショックなどがフレーム中央下部に集約されました。重心の集中と低重心化が大きな理由ですが、その効果は明らかで明らかに左右へバイクを振った際の俊敏さ、切り替えの速さやコーナリング時の安定感と旋回速度の高さが際立っています。以前のALTITUDEに比べレーシングバイクとしての性能の強化に振った印象で、今までにない速度でトレイルを駆け抜けることができます。一方で荷重した時の加速感が非常に早く、この荷重ならこれくらいの加速だろうという意識と実際の加速の差が大きく初乗りでは不安を覚えるほど。
ENSやダウンヒルシリーズなどレースに出場している方やこれから出場してみたいという方にぜひお勧めしたいリアルレーシングバイクに仕上がっています。またアルミフレームとカーボンフレームでもライドフィールが大きく異なります。アルミフレームはカーボンフレームに比べ剛性を多少落とされている代わりに扱いやすい印象に対し、カーボンフレームは高速、高荷重を与えられるライダーの方向けに剛性を大きく向上されています。その剛性の高さはリアサスペンションの作動感の向上や激しいブレーキングや大きな段差をクリアする際の安定感などの向上として現れており激しいレースに挑む方にとって大きな武器になると想像できました。新型ALTITUDEはアルミフレームモデルが定価541,200円(税込)、カーボンフレームモデルが877,800円(税込)となります。
2台目はエンデューロ/オールマウンテンバイクのベンチマーク的存在、KONAのPROCESS 153 G3です。今年モデルチェンジしたPROCESS 153 G3はロングストロークのフリーライド/ダウンヒル/エンデューロカテゴリのPROCESS Xと同じシートチューブ形状と、各社統一規格のディレイラーハンガー、UDH対応になったことが大きなトピック。一方でリーチなどコクピット周りのジオメトリはほぼ旧モデルから変更されておらず、フレームの変更点はリアサスペンションのリンク剛性の向上とUDH対応、そして若干のステアリング周りのアングル変更に絞られています。そのため歴代PROCESS 153系特有のダウンヒル時のクセがなく安心感を覚えるダウンヒルライクなライドフィールは健在。際立った加速性やコーナリング性能、不安定を許容して運動性を上げるなどの特徴的な走りの特性はありませんが、どんな動作でも安心して実行でき、ライダーがイメージした通りの挙動を示す磐石な安心感は他モデルにはないPROCESS 153 特有のものと思います。
その上でPROCESS 153 G3はリアサスペンションリンクを従来モデルに比べ強化することで連続したギャップやロック、根っこなどがあるセクションなど激しくサスペンションが動作するシーンでの作動感の向上やリア荷重時の安定感が向上しています。フレームの性能自体は間違いなく向上していることが体感できました。PROCESS 153 G3は定価422,400円(税込)となります。
一方で今年度は旧フレームのPROCESS 153も併売されます。価格は定価376,200円(税込)。46,200円の価格差ですが、実は変速機、ブレーキなどのコンポーネントはこちらの方が高性能モデルが装備されています。PROCESS 153 G3は変速機はマイクロシフト製11速、ブレーキがSRAM DB8となりますが、旧フレームのPROCESS 153は変速機がシマノ製11速、ブレーキも同じくシマノ製4ピストンキャリパーが装備となります。変速機の信頼性、ブレーキの性能ともにこちらの方が優秀ですので、フレーム性能の若干の向上をとるか、コストパフォーマンスをとるかは乗られる方のライドスタイル次第。お悩みの方はぜひご相談くださいませ。
PROCESS 153 G3と同じく今年度フルモデルチェンジされたPROCESS 134 G3。フレームの変更点もPROCESS 153 G3と同じくシートチューブ周りの形状変更とUDH対応、ステアリング周りの若干のアングル変更となります。そのためアップデートされたポイントはPROCESS 153 G3と同様ですので、ここでは153と134の特性の違いについて実際の乗車感覚と合わせてレポート致します。
まずPROCESS 134は旧モデル、新モデルのG3共にリアサスペンションが134ミリトラベル、フロントサスペンションが140ミリストロークのサスペンションを持つダウンカントリー/トレイルカテゴリーのバイクです。このカテゴリーのバイクは各社からリリースされておりフルサスペンションバイクとしては比較的安価なモデルも多いこと、軽量なため自走能力や登坂能力にも優れ、自走でのトレイルライドやトレイルまでのいわゆるアプローチライドなどペダルを漕いで走らなければいけないシチュエーションで使いやすいため各社が力を入れているカテゴリでもあります。一方で各社のバイクの作りは様々で、クロスカントリーバイクのサスペンションを延長し主に自走能力、登坂能力を重視したタイプと、よりロングストロークのエンデューロバイクなどのサスペンションを短縮しショートサスペンションながら下りの性能、フィーリングを重視したバイクがあります。PROCESS 134はこの2タイプの中では後者に属し、オールマウンテン/エンデューロカテゴリのPROCESS 153のショートストローク版となりますが、実はフレーム剛性などをショートストロークに合わせてコントロールしておりショートトラベルの下り系バイクとして非常に素性の良いバイクになっています。
自走時の軽快さのためにフレームはもちろんPROCESS 153に比べ軽量化されていますが、フレーム全体をバランスよく軽量化されており剛性感をコントロールされています。ショートストロークのサスペンションはロングストロークのサスペンションに比べもちろん剛性が低いのでそれに合わせフレームも適度にねじれ、しなりが起きるようセットアップされ、クイックターンやショートコーナリング時にコーナーを曲がりやすくなっています。これは同時にバイクにまだ上手く荷重をバイクに与えられない、バイクを上手く倒し込めない初心者、初級者の方にとっても扱いやすいバイクということでもあります。一方でリアサスペンションリンク周りはPROCESS 153譲りの強固な構成となっており、ドロップオフ、ジャンプなど大きな衝撃を受ける場面ではしっかりとサスペンションを動かし、衝撃を吸収してくれます。30センチから60センチ程度のドロップオフや低いジャンプ、もしくは根っこが連続するトレイルでは十分なサスペンション性能で、傾斜が緩いトレイルではエンデューロバイクに肉薄して走ることもできるほど。一方で自走時の登坂など負荷がかかる漕ぎのときはロングストロークバイクと比べ物にならないほど漕ぎやすくよく進むので自走のトレイルに行く方が多い方で下りを目的にして遊ぶ方にはベストチョイスと言えるのではないでしょうか。
今年はPROCESS 153と同じくPROCESS 134も新旧モデル併売です。PROCESS 134 G3は定価322,300円(税込)、PROCESS 134は定価286,000円(税込)。価格差は36,300円となりますがPROCESS 153と同じくPROCESS 134も旧フレームモデルはシマノ製11速変速機とシマノ製ブレーキ、PROCESS 134 G3はマイクロシフト製11速変速機とSRAM Levelブレーキとなります。こちらもフレーム性能の向上を選択するか、総合性能とコストパフォーマンスの良さを選択するかが難しいところ。特にPROCESS 134 G3のSRAM Levelブレーキは正直に申し上げるとPROCESS 134のダウンヒル性能に見合っているとは言い難く、楽しんでライディングするならブレーキをまずアップグレードされることを強くお勧めしたいところです。BGHではダウンヒルされるということを前提にして様々な選択肢をご提案できますので、ぜひ一度来店いただけましたら幸いです。
今年も魅力的なモデルが様々登場してきています!マウンテンバイクを一緒に楽しんでいきましょう!